
あじさいの花が咲いていました。
ガクが花弁みたいに綺麗なので見落とされがちですが、
ひっそりと咲く小さな紫陽花の花は小さい頃から好です。
雄しべが長くて絵本に出てくるお花みたいで可愛いって思っていました。
見付た時にはつい笑顔になってしまうお花でもあります。
何故か、自分だけが見たような特別な気持ちにさせてくれます。
シーボルトが日本で一番気入った植物だったそうです。
そんな紫陽花の学名はオタクサ。
シーボルトが愛した日本女性 おたきさん から命名したと言われています。
素敵♥
ここで少し(初めて?)理科っぽいお話を。。
紫陽花は酸性土壌では青、アルカリ土壌ではピンク系になります。
小学生の理科の時間に登場したリトマス紙とは逆の色ですが、
リトマス紙やBTB溶液のように指示薬としても使える植物です。
紫陽花の色は アントシアニンとアルミニウム が大きく影響しています。
アルミニウムを沢山吸収すると青くなり、あまり吸収しないとピンク系になるのです。
つまりアルミニウムが多い土壌というわけではなく、吸収されるかがポイントです。
日本はもともと火山列島という事もあり、酸性の土壌が多いのです。
雨水にアルミニウムが溶けて紫陽花の根から吸収されやすいのです。
一方、西洋ではピンク系の紫陽花が多いのですが
石灰岩から出来た土壌が多くアルカリ性の為、アルミニウムがあっても
ほとんど溶けず、吸収されないからです。
(アルカリ性の土壌では化合物「塩(えん)」として存在するので溶け出しません。)
道端で紫陽花を見ると、ここは酸性土壌、こちらはアルカリ性土壌と分かるわけです。
ピンクにする為に石灰を撒いたり、青くする為にミョウバン水を
あげたりしているかもしれませんが。
ちなみに、一つの紫陽花に青とピンクが存在するものは
それぞれのガクを管轄している根っこの位置が違う為です。
まだらに酸性とアルカリ性が存在している土壌ということですね。
酸性雨という言葉を聞いた事があると思います。
「酸性雨が降って来た!頭が禿げる~~」
なんて知的な会話を楽しんだ経験はありませんか?(笑)
大気の汚染によって雨が酸性になってしまう現象です。
もともと酸性の土地に、大気の汚い都会では酸性雨が降ってくるので
手入れされていないような紫陽花は真っ青です。
青い紫陽花は日本的で美しいですが、
もしかしたら昔より更に青くなっているのかもしれません。
青く美しい紫陽花を見る度に若干、複雑な気持ちになってしまいます。
この時期、道端に咲く青く美しい紫陽花は私達に大気汚染を訴えているのかもしれません。
皆様のお住まいの地域の紫陽花の色は如何ですか?
青い紫陽花が目立つ地域なら酸性雨が降っている可能性があります。
この時期はそういった意味でも傘必須かもしれませんね!?
長~くなってしまいましたね^^;
学生時代は遺伝子工学の勉強をしていたので、
理科の話になると長くなる傾向があります・・。
長くなったついでに。。
紫陽花とアルミニウムが密接な関係にある事はご理解いただけたでしょうか?
実はアルミニウムはアルツハイマーとも関係していると言われている物質です。
アルツハイマーの原因の一つとなるたんぱく質が発見され、新薬開発に繋がる
というニュースをみた記憶があります。
いつの日か、紫陽花からもアルツハイマーの新薬が出来るかも・・?